◆公開質問状
文部科学大臣,埼玉県.宮城県知事 他へ

2006年(平成18年)7月6日

千代田区永田町2−2−1
 衆議院第一議員会館220号室
  自由民主党 文部科学大臣   小  坂  憲  次  殿

千代田区永田町2−2−1
 衆議院第一議員会館505号室
  自由民主党政務調査会長   中  川  秀  直  殿

埼玉県さいたま市浦和区高砂3−15−1
  埼玉県知事   上  田  清  司  殿

宮城県仙台市青葉区本町3−8−1
  宮城県知事   村  井  嘉  浩  殿

全国霊感商法対策弁護士連絡会
代表世話人 弁護士 伊 藤 和 夫(東京)
            代表世話人  同  平 岩 敬 一(横浜)
            代表世話人  同  廣 谷 陸 男(札幌)
         (連絡先)東京都新宿区新宿1-15-9 さわだビル5F
              東京共同法律事務所
TEL:03-3341-3133 FAX:03-3355-0445
               事務局長 弁護士 山 口  広

1.当連絡会は、いわゆる霊感商法による被害者の救済と被害の根絶のために1987年5月に全国の約300名の弁護士によって結成された連絡会です。

2.世界基督教統一神霊協会(以下「統一教会」)は、霊感商法の手口による献金等勧誘事件や統一教会への入教勧誘の手口の違法性を問う裁判で、再三にわたって信者らの行為の違法性とともに、宗教法人統一教会としての法的責任を認める判決を受けています。念のために、これらの判決の概要を記録した文書を同封します。ところが統一教会は、再三司法において違法であると判断された違法な資金集めや違法な信者勧誘の手口を繰り返し、これによって新たな被害者を生み出し続けています。
霊感商法や献金強要、借金名目の金銭領得等のため、現在でも全国各地で合計14件の裁判が係属中であり、その遵法精神の欠如は他の宗教団体に例を見ないものであって悪質性が顕著です。

3.また、統一教会は、韓国やアメリカの統一教会グループの財政的な危機を乗り切り、韓国やアメリカの事業などに資金をつぎ込むために、これまで以上に高額の献金(毎月数十億円)を文鮮明に提供させるべく、組織の立て直しをねらって、韓国人信者を多数日本に入国させ、各地区組織の責任者に就任させています。その人数は数百人に及んでおり、彼らは文鮮明の指示で全国各地の地域や地区の責任者として配置され、日本人信者に厳しい資金集めを指示しています。その実態は、信者に対し、霊界での恐怖をあおって畏怖した信者の全財産を統一教会に提供させようとするもので、宗教活動としての許容範囲を著しく逸脱した違法なものであることは明白です。

4.現在統一教会は、世界平和女性連合、真(まこと)の家庭推進委員会、世界平和連合、韓日人協会等様々な統一教会のダミー団体の名称を用いて、その正体を隠して信者集めを行い、また、先祖因縁による欺罔、脅迫を行って献金を強要し、更に高額な物品の購入を迫っています。ボランティア団体と称するしんぜん会や野の花会の名称を用いたインチキ募金集め、物品販売を全国で行っているのも統一教会です。

5.更に、2005年9月、統一教会は新たなダミー団体として天宙平和連合(UPF)を創設しました。この団体の総裁は統一教会の教祖文鮮明とその妻の韓鶴子です。この団体は、霊界と地上現実社会とを通して平和を実現すると称して、死後霊界で天国に入るためには献金をしなければならないなどとして、新たな資金獲得活動などをしています。この団体主催による「祖国郷土還元日本大会」が本年5月13日「マリンメッセ福岡」等で開催されました。福岡大会では、

2500組の男女による合同結婚式も開催されたと報道されています。ところが、同大会に宛てて安倍晋三、保岡興治両氏が祝電を送ったという事実が、5月14日付の統一教会系新聞「世界日報」(韓国)に掲載されました。また両氏とは別に、貴殿らも天宙平和連合主催の別の大会に祝電を送付され、あるいは、出席されたことが判明しております。

天宙平和連合(UPF)の総裁が文鮮明夫妻であることや、その関係出版物などから、天宙平和連合(UPF)が統一教会のダミー団体であることはあまりにも明らかです。宗教法人法の所轄庁である文部科学省のトップ、自由民主党の役員、埼玉県・宮城県の首長といった公職にある貴殿らが、統一教会の大会に祝電を送ったり、大会に出席したりすることは、実質的に統一教会の活動に賛同しこれを推奨しているとして、統一教会の内外で宣伝されかねません。統一教会の内部的組織がために使われることは必定です。当連絡会は貴殿らの今回の行動は非常に遺憾であると考えています。

6.そこで、以下の質問に是非ご回答いただくようお願いします。
(1) 貴殿らは、どのような事情で祝電を送り、あるいは大会に出席されたのでしょうか。
(2) 天宙平和連合(UPF)が統一教会のダミー団体であることをご承知だったのでしょうか。
(3) 貴殿らの公設、私設秘書には統一教会の信者としての経歴を有す者はいませんか。
(4) 今後、統一教会の組織活動について同様の対応をするお考えでしょうか。
以上4点について、7月13日までに当連絡会事務局長山口広宛、書面により回答していただきますようお願い申し上げます。

当会としては、これ以上統一教会による深刻な社会問題を拡大させることのないよう、貴殿らが特段の配慮をなされるよう強く申し入れます。

なお、当連絡会は、来る7月13日午後1時から、参議院議員会館第4会議室において、統一協会の実態を訴える集会を予定しています。この集会に貴殿は出席し、統一協会の実態を認識していただくよう本書面をもって併せて求めます。


以上


小坂 憲次氏からの回答
 (1)祝電を打電したり出席したりしておりません (2)全く知らない (3)一切おりません (4)今後も付き合わない

中川 秀直氏からの回答
 (1)「祖国郷土還元日本大会」に対し、当事務所として祝電を打電したことも、も大会への出席も致しておりません。 (2)天宙平和連合が統一教会のダミー団体であることは、全く存じ上げません。 (3)当事務所の秘書で、統一教会の信者としての経歴を有する者は、一切おりません。 (4)統一教会とは過去は勿論、現在に至るまでお付き合いはありません。当然、今後においてもお付き合いするつもりもありません。

上田 清司氏からの回答
 (1)以前に元県議会議員の方から依頼を受け、同氏が世界平和連合埼玉県連合会の代表というお立場もあり、「平和世界の実現を提唱する」世界平和連合埼玉県連合会あて祝電をお送りしたものです。 (2)統一教会のダミー団体に祝電をお送りしたという認識は全くありません。あくまでも世界平和連合埼玉県連合会あてにお送りしたものです。 (3)おりません。 (4)宗教団体への祝電送付等については、今後、誤解を招くことの無いよう対応して参りたい。

村井 嘉浩氏からの回答
 総務部秘書課長より回答:1御質問にあった祝電については、公費での対応は、しておりません。 2その他のご質問については、プライベートなことですので、お答えは控えさせていただきます。