ドナコリンズさん講演

ドナ・コリンズさん講演 2003年3月7日

全国霊感商法対策弁護士連絡会

〈私の両親とさびしい生活〉

 こういう大事な人権に関わることのために日本で一生懸命働いていらっしゃる私達の仲間とこうやって一緒にお仕事できること、心から嬉しく思っています。

 特に日本では統一協会(統一教会)問題は長いこと、マスコミも大きくは取り上げてくれなくて、その間地道に救出カウンセリングしたり、それから弁護士さん達が脅迫を受けるとか、色んなきつい時代があったと聞き余計に感謝の思いです。 私の両親はヨーロッパで最初の統一協会(統一教会)の幹部ということになるのですが、母が1960年に入会して、それから68年に父が統一協会(統一教会)員になりました。

 私の母は、非常に霊的な魅力というか、モデルでしかもオペラの女優でもありました。そういう魅力のある人で、初期のヨーロッパの国々の統一教会のメンバーの多くは私の母が惹きつけたんです。

 両親とも、統一教会に入る前ちゃんとしたクリスチャンであって、そして父は平和運動をするような真面目な人、母は非常にスピリチュアルなものを求める熱心なクリスチャンでした。私の両親は欧米では統一教会創立メンバーとしてかなりよく知られている人でした。そして、60年代の後半から70年代にかけて文鮮明のすぐそばに親しくいる関係でした。
 その結果、私も文鮮明の近くにいる機会が多かったし、韓国のトップクラスのリーダー達もたくさん知っていました。
 初期のイギリス統一教会は本当に他者を愛するというか真面目な教会だったのです。外へ出ていって困っている人、お年寄りとかそういう人達を助ける、そういうものが統一教会だと思っていたのです。

 もちろん霊的なことについて一所懸命人々に話したり、それからパンフレットを一生懸命頒布するということを介して。
 私が子供として成長していく頃、私は統一教会によって人類は一つになって皆が平等になるんだと、そう本当に信じていました。そういうふうに教わっていました。2世の私達の暮らしは贅沢なものでもなんでもありませんでした。他の統一教会のメンバーの子供と同じように歌ったり、バイオリン弾いたり、そんなことをして過ごしました。私は、英国でも、それからヨーロッパの他の国でも文鮮明に何度も会うことがありました。そしてさっき写真でお見せしたように、文鮮明さんの膝にだっこされたこともあったわけです。しかしその後、どういうことが起こったか。77年から78年のこと、まだ小学生の頃の話です。

 私にとって最大の問題は私の両親は熱心すぎていつもいつも不在になってしまう。それで私は色んな子守り役の方に任される、預けられる、そういう暮らしでした。両親は本当に善意で熱心だったんですが、しかし子供にとってどんなによいことでも親がいつもいない、そして信者が子守りをしてくれる状態は非常に寂しいものでした。

〈幼い頃に見た文鮮明〉

 77年から88年の間、文鮮明がヨーロッパ各地を歩いたんですね。その時に英国に来ました。ロンドンの中心部のセンター、両親のいるところですね。

 びっくりしたのはその文鮮明とその家族、子供も含めてロンドンにいる間、贅沢三昧、買い物、買い物で1週間も経たないうちに、大きなタルクにいっぱいの買い物をするのを目撃したわけです。

 そして、もっと驚いたことに、文鮮明についた韓国人のトップクラスのリーダー達が、ロンドンのいわゆる赤線地帯に出て行く。どうして霊的な統一教会の指導者が、そういう所に行くのか、私にはわかりませんでした。彼らは、そういうことにもちゃんと霊的な理由をつけてました。赤線地帯というのは、どんなにひどいところか見る必要があるのだと。だったら1度でいいのに、何度も何度も。

 私は文鮮明の長男とか、上のほうの子供と同世代なんですが、その長男とか次男とか長女とか、彼らでさえ、そういう韓国のリーダー達に対して、また信者の子供達は自分達の親に対して、激しい反発、怒りを持っていたと思います。だから子供達は既にその当時精神的に混乱したり、それから精神を病んだり、そういうことも起こってました。 ある夜文鮮明が住んでいた豪華なアパートに行きました。私は純情な子供として、会いたい、見たいと思ったんです。でも、なぜか父が文鮮明先生の部屋に行っちゃいけないと。それは実は文鮮明があの夜に、ものすごい暴力的な映画を見ていて、娘がそれを見るかもしれない、父はそういうふうに考えたんだと思います。

 父は行かせまいとするんですが、何回か実際に見てしまって、そういう時には本当に悪夢にうなされたという経験があります。

 この事件について、まだまだ話そうと思えばいくらでもあるんですが、先に行きます。彼らのやり方というのは、例えば文先生がなぜそんな、暴力シーンの映画を見るのかとか、さっきの赤線のこともそうですが、なんにでも霊的理由があると言います。いつもそういう具合でした。

 でも、当時はまだ私は本当に文先生を愛し、尊敬していました。私の両親もそうであったように。

 最初の10年間私の母が、加入した草創期のイギリス人のメンバーは一生懸命統一教会活動をしていました。けれども、10年位経つと段々と文鮮明は韓国のリーダーを推挙したりして、トップリーダーを入れ替えることを頻繁にするようになりました。

 皆さんご存じでしょうが、世界中の統一教会は事実上韓国のリーダーがやって来て取りしきっている。それでそれぞれの国のリーダーっていうのはその下にいます。

なにしろ私はヨーロッパで最初の、祝福家庭の子供ということですから、そういう意味では、特別にみなされている。もう一方で色々の経験をしてとても不安定で、混乱した心の状態にありました。

 そして、父、母はいつも出かけちゃうので、両親から見捨てられているという気持ちでいました。

〈11歳の時1人で韓国へ〉

 そして、私の父が今度はロンドンの教会に専従ではなくて、色んなことをさせられるようになりました。同時に11才の私は、1人で韓国へ行けと言われたのです。

 イギリスの統一教会は、本当に普通の合法的な教会のようなつもりできていて、だから日本で教会の求道士が来るように、内部の人といえない人達も統一教会にやってきていた。だから、イギリスでは、日本のようなひどい霊感商法的なことはまだできなかった。そのためにそういう大真面目な、草創期の幹部は段々外されていくということが起こった。父が辞めさせられたのも、そういうことでした。父が決定的に辞めるのはもっともっと後のことですが、その地位も追われてしまった。私の両親が完全な人達だったとか、そんなことは思いませんけれども、少なくとも非常に非人道的な方法で、不道徳的な方法で金集めをやるとか、そういう人ではありませんでした。自分達が儲けてそしていい思いをしようなんて思って教会にいたんでは絶対ありませんでした。

 文鮮明が直接、両親はアメリカなどで働かせつつ、ドナは韓国に来なさいという命令を下したのです。それは天の言葉でした。韓国語を習わなきゃならないので、私は、イギリス、ヨーロッパ文化の世界をすっかり捨てて、しかも両親とも離されて韓国に行ったのです。

 韓国の統一教会に入って、私の幻滅はますますひどくなりました。

 でもでも私は、一生懸命忠実な、文鮮明先生を敬う少女であったんです。しかし、たくさん、何故っていう質問、疑惑のちょっと手前の、どうしてこんなにイギリスの統一教会と韓国の統一教会は違うんだろうと考えるようになりました。

 韓国の友人、子供どうしの友達ですけれど、彼らから色んな文鮮明先生についての噂を聞くようになりました。その噂の中には、初期の文鮮明が色んな女性と関係持ったということ。でも最初私はそれは、噂にすぎないと思ってました。

 それからまた私はたくさんの韓国の若者達とも段々と知合いになってきました。それはみなさんもご存知のリトルエンジェルスっていう、本当は朝鮮戦争の孤児達を集めて、統一教会の少女合唱団作ったんですが、そのリトルエンジェルスのスクール、サンファー芸術学校というのがあって、そこに私は行きましたから、韓国の統一教会の子供たちとたくさん友人になりました。

 私は段々と韓国語が分かるようになってきました、そしたら韓国の統一教会の子供たちが話してることは、ヨーロッパの自分たちは全然知らなかったし、それから理解できないようなことだったのです。

 それから日本からも日本のトップリーダーとその子供達もやってきました。

 私は久保木会長たちから招待されて84年に日本にも1度来たことがあるんです。

 日本の統一教会の人達は本当に私達を暖かく迎えて、大切にしてくれました。それはヨーロッパのメンバーと同じように、日本の統一教会のメンバーも私のことを大真面目に祝福家庭の子供、しかも西欧で最初の祝福の子供だと見てくれたからです。

 ところが韓国では、統一教会の中のメンバーのかなりの数の人が本当は統一教会なんか信じてない、要するに、いい暮らしができるために居座ってることがわかってきました。霊的なことよりはむしろお金のことばかり考えている人達の多いことを知ったんです。

 私は韓国に11才から14才までいたんですが、その間ホームシックにもかかりました。それから体の調子も悪くした。それで幸せではありませんでした。幸せには感じられなかった。ある時、文鮮明に直接会って、私をヨーロッパに帰してくれないかと彼と話し合ってみました。

 韓国で統一教会のたくさんの集会に出て、そこに文鮮明が来るわけです。その文鮮明がメンバー達を聞くに耐えないような言葉で、罵倒したり、それから本当にぶん殴ったり、大声で怒鳴ったり、そういうことばっかりしてるのを見ました。ただ私はさすがに文鮮明から直接殴られたりしたことはありません。

 もちろん帰りたいなんて言ったときには、ものすごく、ひどい言葉でしかられたんですが、ただ体罰までは私は受けてない。

 ある時非常に大事なことを文鮮明は私に言いました。「貴方とお父さんの愛情の絆が強すぎる。これはだめだ。やめなきゃならない。というのは私があなたの本当のお父さんだから。」こう彼が言いました。

 後で分かったことですが、文鮮明は私の両親にも同じようなことを告げている。両親があまりにも私を大事にすると、何か恐ろしいことが起こると。

 これが彼が統一教会のメンバーをコントロールする仕方でした。全てのトップクラスの家族から、一般の統一教会信者の家族まで、彼はこういう仕方で操作をした。

 両親と同じような世代の子供を持った統一教会員のメンバー達が、同じような経験をしていました。とてもかわいい赤ちゃんを置いて、外へばっかり行ってられないというようなことを言うと、それはもうとんでもない不信仰で、1番恥ずべきことだと文鮮明は言うのです。

〈15歳の時、米国で両親と〉

 そうこうするうちになんとか韓国を去って、そして両親と共に住めるようになりました。それは両親がイギリスのトップのリーダーから首をすげかえられて、今度アメリカに行って働けと言われたためなんです。それで15才になって初めて両親と1緒にアメリカへ行った。

 アメリカへ来たら、私の父はかなり大事な仕事をさせられていました。ニューヨークの統一教会の新聞、トリビューンという新聞を出していて、それの責任者でした。で、いわゆる反共連合の責任も持たされたり、それから日本からアフリカに言葉もわからないのに、惨めな生活をさせられて、アフリカに送られている、そういうその人達を見回りに行く、そういう役割も父はさせられました。

 先程から言ってるように、生まれてこのかた、いつでも両親が忙しくて、私を置いていったもんですから、アメリカでとにもかくにも、家族が同じアパートに住めるようなったことがよかった。

 しかしアメリカで文鮮明がどんなすごいところに住んで、どんな贅沢な暮らしをしているかってことも知りました。その代わりに、大勢の統一教会の人達が文無しで一生懸命お金集めに働いているのに。

 私は段々とそういうわけで、文一家について深く疑惑を持つようになってきました。息子達はベンツに乗って、そして映画スターのような生活をしている。息子たちが暴力を使うとか、そういうことが段々と分かってきました。日本でも翻訳本が出てますが、妻から訴えられて離婚した、長男のヒョウジンがドラッグ、麻薬を始めているのも見ました。

〈統一教会を去った理由〉

 どうして私が、疑問、疑惑を深めて統一教会を去ろうと思うようになったかということなんですが、このニューヨークでの文鮮明一家の生活がどんなに、途方もなく、贅沢なものか。札束を机の上に塊であげたり。もらったり。それから、子供達、息子達が非常に乱暴な、残酷な、暴力的なことをするとか、そういうことを見るようになりました。

 2つほどのエピソードを申し上げたいんです。ある時私が文鮮明の部屋に行きました。そこに娘さんがいて、いきなり私の前にひれ伏せ、と言いました。ヨーロッパの信者達も本当にそのメシアの為に、全てのものを捧げているのに、文の子供が、メルセデスベンツを乗りまわしたり。そして、あなたたちヨーロッパの信者はもっと文一家のために尽くさなきゃいけないんだと、こういうことを言ったのです。その時、私の両親も含めて、実際は1銭も持っていないんですね。しかし、もっともっと働けと。

 それから韓国からの幹部も来て、文の子供達が私を外に連れ出して、私に暴力を加えようとした。で私は思わず、やってごらんなさい、お父さんに両親に頼んで警察呼ぶから、と言ってやっと自分を守ることができた。そんな経験もありました。本当に文の子供も乱暴でした。

 文一家を見れば見るほど、こんなのがメシアではありえないと私は思うようになりました。

 私の両親の地位がある意味で上がれば上がるほど、そういう文鮮明一家や韓国のリーダーの実態が見えてくるんです。それでも私の両親は、悪いのは教会で、お父様、文鮮明自身ではないとまだ信じこもうとしていたんです。

 やがて私は高校生になりまして、幸いなことに一般のアメリカの高校に通うことになって、統一教会以外の若者と知合うようになりました。

 もう1つのことは、合同結婚式のことです。合同結婚というのは、愛情でもなんでもなくて、政治的に文鮮明の思惑でやらされるわけです。私はそのことはどうしても嫌でした。

 両親はまだ熱心にやってる。私は統一教会の人も、一般の高校生の外の世界も見えてくる。私は、精神的にも、それから統一教会から出たり入ったり出たり入ったり、そういう不安定な時期を過ごしました。

 そうこうするうちに、大学で最後にはこれはもう統一教会を辞めなきゃならないと思うようになりました。それは92年のことでした。

 私が去ってから、父母も統一教会を去りました。この時期になると文鮮明に対して自分達が、ここが変だと思う質問をするようになる。これが彼の怒りにふれて、父はやめるようになった。

 この間、私の両親だけでなく大勢のヨーロッパの統一教会のメンバーがひどい目にあったのです。経済的にもどん底。それから健康もめちゃめちゃ。医者にもかかれないということです。

 ヨーロッパのメンバーでもほんのわずか、3人か4人は、いい思いをする側に残った人達もいますが、それ以外の人達は惨憺たる暮らしをさせられました。長老格の1番初期からのメンバーたちでさえ、そうだと。統一教会に働かされ、捧げさせられながら、国内的には破産状態にある。スラムに住んだり生活保護を受けて生活して。スラムにも住まざるを得ない。それから生活保護を受けざるを得ない、そんな人たちがいっぱいいました。ある程度高齢になったメンバー達が今言ったようなすさまじい暮らしをしている。子供達がなんとか親の暮らしを助けようとするんですが、それでも、多くの親達はまだ文鮮明を信じて、こういう悲惨な状態に耐えていた。これほどの暮らしをさせられながら統一教会のヨーロッパのメンバー達はそのことを外の人に言えなかった。恥ずかしすぎて言えなかった。子供達も恥ずかしかったり、或いはそんなことを言ったらどうなるか、呪いが怖くて誰にもこのことを言うことが出来なかった。

〈統一教会から離脱する苦しみ〉

 統一教会をどうやってを離れたかっていうと、まず、教会の礼拝とか集会に行かないということから始めました。 次はできるだけ統一教会についての本、統一教会の真実についての情報を集めようとしました。どんなに文鮮明一家、統一教会が経済的に、堕落しているか、から初期の文鮮明がどんなひどい女性関係を持っていたか、というふうなことです。
 知識は力であり、自由です。力と自由を私たちに与えます。こういうふうにして実態を知ってくるとまず起こってきたのは、本当に激しい怒りの感情でした。統一教会と、文鮮明に対する。

 人にもよりますけども、こういう種類の怒りを何ヶ月も、人によっては、年単位でおさまらない。そういう強い怒りを感じました。このくらい騙されたということを知ってしまうと、怒りというのは、ちょっとやそっとではおさまらない。特に年配の最初から一生懸命やっていた人達は、統一教会を離れても、食べていけないんですね。本当に強い怒りを感じている。
 次に思うようになったのは、私はこういうことを本当に聞いてくれる人を見つけたい。カウンセリングをしてくれる人、或いはとにかく自分が普通だったら言えないようなことを経験してきたわけですね、それを聞いてくれる人を、私は、探しました。

 この頃はアメリカでは、洗脳に対して逆洗脳、ディプログラミングがあったんですが、私も両親もそういう人の世話にはなりませんでした。一生懸命自分達のことを聞いてくれる人、そういう人は大事に思いましたけれども。ところが統一教会はその程度のことを私や両親がしているだけで、彼女達は逆洗脳を受けているんだと非難をした。

 そうこうするうちに大学時代に今の夫と出会った。22歳で大学4年生。2年位お付き合いしてから、94年に私は結婚しました。統一教会とは何の関係もない大学生として出会った相手です。そして、今では子供が2人います、男の子と女の子。

 最初は私は自分にこういう人生を歩ませた両親にも怒りを感じていました。しかし、段々とこう思うようになったんです。やっぱり親子関係も癒していかなければならない。それからそういう恨みの感情だけでは、新しい人生は、やっていけないと私は思うようになりました。

 私はこんなふうにして、皆さんの前でお話をしたり、色々と書いたりするようになったのは、個人的にいつまでも文鮮明に怒りを感じるとか憎んでいるっていうことじゃなくて、できるだけ、多くの人達が統一教会の正しい情報を知るほど、統一教会に入る人は少なくなっていく、統一教会の力が弱まるだろうとそう思ってるわけです。私は今では、文鮮明個人に怒りを感じるとか、もうそういう状態ではありません。

 私がこういうふうに勇気をもって今日ここだけではなくて、アメリカでも、色々書いたり、お話したりできるようになったもう1つのきっかけは、「わが父文鮮明」文藝春秋社から出してる、あの、文鮮明の息子のドラッグと暴力でめちゃめちゃに息子に虐待されて、離婚した、子供と1緒に逃げ出した彼女のあの手記、彼女がああいう手記を書いたということもとても私を勇気づけてくれて、私はこういうふうに、公の場所で話すことができるようになりました。

 とにかくあまりにも多くの人達が統一教会で苦しんでいる。死んだ人もいっぱい、日本人だけじゃなくて、ヨーロッパのメンバーで死んだ人達もいるからです。だから私がこのように話をすることは意味があるだろうと思ってます。

 もう「真の聖なる家族」なんてのは問題にならない。全部彼のやってることは嘘だし、聖の逆だと思います。 もう1つのことは私は誰でも統一教会を辞めることはできるっていうことの生き証人となりうるだろうということです。非常に難しいことなんですが、しかし現に私はこうやって統一教会を去ることができた。これはきっと誰にも出来ることだ。

 生まれの高貴さということは、これは生まれた時の特権ですね、生まれつきの権利。だけども本当の人の価値はそれから後、その人が何をするか、によって決まるということです。
まだまだ色々お話しなきゃならないことがあったけれども、省いてしまったと思います。その点はお許しください。本当にご静聴くださってありがとうございました。

〈文ファミリーの実態〉

質問 今ホン・ナンスクさんはどうなっていますか?

ドナ 他人のことは余りたくさんは言いたくないんですが、少しだけ申し上げます。彼女のあの本が出たこと、それから彼女が公に出て色々話したことで、大勢の人々が統一教会をやめました。彼女は統一教会側からある程度のいやがらせも受けました。しかし彼女は自分のやったことは、よいことだったと、やるだけのことはやった、それで少し普通の家庭生活に戻りたいというので、ひところよりは、もっと静かな暮らしをしてます。お子さんも5人。

 私と彼女、かなり仲がいいんです。彼女は勉強も好きで今一生懸命勉強もしているようです。

 彼女にとって重荷は、文の息子の子供でしょう。5人を抱えてるっていうことは、彼女にとってはかなり心配の種だと思います。

 あの家族の中にいればお金はいくらでもあったんだけども、今はそうはいきません。加えて、孫達をまだお金でつり戻せるんじゃないかなという思惑が、文鮮明の側にあるということも彼女は心配している。

質問 子供達について、知っていることを教えてください。

ドナ 文の子供のうちの2〜3人について、ちょっとお話します。子供として私が知ってる11人か12人、もう死んだ人もいますが、それ以外に文は、他の女性に生ませた子供があります。その別な女性の子供の1人は私のとても親しい友人です。
 統一教会と何の関係も持ってない。

 長男のヒョウジンは今も依然として、ドラッグ、その他逮捕されたり、そんなめちゃめちゃな暮らしをしているのです。

 文鮮明の子供や孫等は文鮮明っていう人物が本当にメシアだとは思ってない。だけどもとにかく、豪勢な暮らしからは抜け出せない、抜け出したくない。そういう子供が多いと思います。

 文の長女の夫は、ナンスクさんのお兄さんです。だけどこの、長女の方は離婚をしている。それは信じられないということを言われるかもしれないけれども、事実上離婚してる。それでも贅沢な暮らしぶりに慣れちゃってるので、そこから離れられない。そして、そういうことはあまり公表されてないから、よくわかってない人達がいる。次男のフンジンは交通事故で死にました。

 ウンジン(恩進)さん、彼女は統一教会をきちんとやめたんです。辞める前にタイガパークスと結婚して子供が2人。

 タイガパークスという名前の韓国人と結婚していたんだけど、彼はもう既に亡くなっていて、その方との間に2人のお子さんがいるんですけども、ウンジンさんが統一教会をおやめになった後に、親権をめぐって向こう側が優秀な弁護士を雇ってきて、2人の子をお母さんから引き離して、取られちゃった。で今ウンジンさんは欧米の方と出会って再婚をした。新しい夫との間に赤ちゃんが生まれました、去年。

 こういうことは文鮮明としては、非常に困ったことなので、一生懸命その、生活苦の中 の写真を撮ろうとしたり、色々するんです。

 文鮮明の子供達は、ある意味、高学歴で自分が偉いと思っています。当然特権のところに生まれてるから、すごく傲慢な意識があり、実際そうでした。

 クッチン(国進)という4男は銃砲店を持っている。それからソンジン(普進)。彼女は1回、教会を去ったんだけども、やっぱり贅沢さの魅力ね、戻ってきちゃったんです。本当に文鮮明を信じていません。

 私は思うんですが、いったい文鮮明の子供達は、犠牲者なのか、或いは犠牲者を作っている側なのか、私は複雑な思いがします。

 外へ行けば普通のように振るまいますけども、中ではもう、メンバーいじめたいだけいじめるという具合です。

〈統一教会内での日本の評価〉

質問 離教される前、日本の実情についてはどのように教えられ、また理解しておられましたか?

ドナ 日本の統一教会が経済的に貢献してるということは、ちゃんと聞いてました。

 統一教会は日本人の人がいいところを本当に悪用していたと思います。日本人が1番長時間、1番たくさん、働いてお金を一生懸命作ってるということは聞いていました。そうしないと、それはとても、お父さん達に恥ずべきことと言われて日本人の信者は一生懸命やってると聞いていました。

 統一教会では1番偉いのは韓国の信者。その次は日本人で、ヨーロッパ人、欧米人はその下だとそういうふうに露骨に言います。
 文鮮明は80年代頃までの日本は経済も成長していて、いくらでも日本から、何億円でもお金が送られてくるので、非常に日本に対して覚えが良かった。ところが今はデフレになって、日本からの入りが少なくなってきているんで、もう手段なんか選ぶなと、どんな悪辣なことをしてでも、もっと儲けろというふうに今言いだしています。

 文鮮明は1920年生まれですから、日本語もできるんです。日本に来たこともあります。日本人の言葉がわかる、だから彼は日本人を操るのが上手なんだと思います。統一教会の非常に年長のリーダーたちも同じです。日本語を使って日本人をどんどん操れる。

 日本は朝鮮に対して、戦前ひどいことをしていた。そういうことについて、韓国の年配の人達は今でもそのことに対して怒りを持ってる。だからお前たちは韓国のために尽くすのは当たり前だと。

 そして韓国の統一教会の年配のリーダー達が、日本について非常に恨みを持っていることあったんですが、それだけではなくて、日本は近い国だという意識もあって、韓国のリーダー達の両面感情があるようです。プラス1番問題なのは、文鮮明は相手によってしゃべることを変える。韓国人にはこういうことをしゃべる。日本人に対しては、韓国では日本人はもうとんでもない奴らだと言うんですが、日本人に対してしゃべるときには、それだけではなくちょっと誉めることもやる。西欧の統一教会メンバーにしゃべるときには、また別のことをしゃべる。これが文鮮明のやり方です。

 2男のヒョンジン(顕進)のことが出てきたんですが、彼何回か日本に来ていますけれども、彼は平和なんとか基金を作るんだから、何億円集めろとか、そんなことを日本人に血判で誓わせた。そんなこともさせています。

〈信者の家族や2世信者へ〉

質問 もう子供は諦めましたという親や、子供が行方不明になっている親をどう元気づけていったらいいでしょうか?

ドナ 非常に難しい問題です。あちらこちらで聞かれるんですが、とても難しい問題だと思います。

 2世として生まれた子供の場合とそれから統一教会の信仰を持って入った1世の場合とは同じ若者でも違うと思います。2世はわりあい、教会をやめちゃう。だけども、統一教会を、クリスチャンに改宗するみたいに、本当に改宗したつもりで、統一教会に入った人達は非常に難しい。なんかこう、文鮮明先生との関係で、特別霊的な体験をしたというふうに思い込んでる、新鮮な思いで統一教会に入った信者の若者達には多い。

 それに加えて、以前よりも統一教会は布教の仕方がしつこくなってきています、チョンピョンに大勢日本人を連れてって徹底的に洗脳するでしょう。

 1つ言える事は子供がなんで統一教会に行っちゃったんだろう、自分たち親のどこが悪かったんだろうとかいって、自分を責める親御さん達がおられますが、それは絶対そうじゃありません。親が悪いから行くんじゃないです、間が悪くて行っちゃうんです。

 もう1つ、どんな親でももうだめだと諦めることはいけません。

 もしアドバイスできるとすれば最初に我が子が入った事実を知ってからあんまり子供に対して否定的に批判的にならない。とにかくコンタクトをずっと取りつづけているということが大事だと。

 もう1つは子供に対して批判的な態度をとらないで、長くコンタクトしていると、暮れなどの期間に帰ってくるようなことがあります。そういうときに、話し合いによって、いわゆる強制なんかしないで、なんとか話し合いで。この機会に、あなたに対して、たくさんの情報を与えてくれる人と会ってくれないかとか。皆さんのような。そしてその時嫌なら、強制しないけどもという言い方で、子供に話を持ちかける。

 ずっとコンタクト続けて、チャンスがあったら、納得ずくでカウンセラーに会ってもらって、情報を提供するっていうことです。リーダー格の人や文鮮明の実態、私生活がわかりますね。まっとうな人ほど神格化していて、それがわからない。だから、そういうことについての情報を提供できる余地があるわけです。

 ひどい洗脳を統一教会がしてるとは言えないかもしれないけれども、統一教会は一種の集団の力学を使って、そしてできるだけ本人を内部だけに留めておいて、外の情報、或いは本当のこと、統一教会、文鮮明の、そういうことはなるべく知らせないようにしてメンバーを管理していると思います。

 こういうカルト問題、統一教会を含めて。こういうことがもっと大勢の人達がこれは誰にでもあり得ることだとわかってくれば、統一教会を抜けようと思って抜けた人に対して、社会が寛大になれるだろうと思います。とても大事なことだと思います。

質問 2世の信者に対しての救出のあるべき姿について、考えを聞かせてください?

ドナ 2世はさっき言ったように、統一教会をやめるケースが多い。ただ問題は恥ずかしくてそのことを誰にも言えない。いつまでも言えない。だから自分だけで後ろめたく、過去に統一教会だった、統一協会(統一教会)の2世だったってことを、隠しつづけてる。これは精神衛生上いいはずがありませんね。

 2世はやめる率は多いって言ったんですが、逆に心の傷も持っているし、それから経済的にも、統一教会から出たら何もないわけですから、非常に強い怒りを統一教会に対して持つ場合が多いです。しかし、時間と一緒になんとか、回復していくのは、できるだけその統一教会の2世だったということはまあなかったかのようにしようと思っていても、やっぱりその事実はきちんと整理しとかないと、よくない。

 2世で、統一教会をやめた人たちは中で色んな騙された経験を持ってるから、普通の人が近づいていって何か役に立ってあげようと思って言っても、なかなかそれを信じたり、受けようとしません。だからアルコールでごまかしちゃだめじゃないのなどと言ってあげてもね、そのことではなかなか変わらない。やっぱり自分自身で、そういうことを克服していかなきゃならない。アルコール中毒の患者と同じように、自分が自分でその問題を克服しようと、思う気持ちにならないと本当には立ち直れないです。

もう1つは、それぞれの本人達の個性、それから家族、特に両親の性格によっても、問題がきれいにいく場合と問題が残る場合があると思います。普通の家庭で子供が統一教会行っちゃったというのとちょっと違いますね。その親の抜けた子に対する関係、こういう関係が2世の場合にはある。

〈ブラックフンジン問題〉

質問 1985年頃ジンバブエ人、クレオパスクンティオナに霊界のフンジンの霊がついたという、滑稽な騒動がありました。このとき若いムーニー達はどのように反応したのでしょう。

ドナ 私は彼と会いました、ワシントンで。16歳でした、私は。私は彼と会うのが恐かったです。その時には彼は暴力を使ってましたから。で、私に対しては彼は親切ではなかった。

 このブラックフンジン問題は、統一教会が霊の世界なんかについて語る1つの転機になったと思います。つまり霊界から色んなメッセージが来るようになった。

その想像、向こうの霊界からなんとかかんとか、チョンピョンもやりますけども、そういうことを非常に統一教会でやるようになった分岐点になりました。

 本来の原理講論や聖書のことをまがりなりにも解釈していた、そういう統一教会と今の統一教会はすっかり変わってしまっていて、霊界のなんとかかんとか、祖先の10何代前の、祖先のそういうことになっている。これはとても昔の統一教会とは思えない、そう感じます。

 まさに、本当にカルト的になってきていると感じます。

 もちろん普通に信仰生活やってるつもりのメンバーも今でもいますけども、しかし全体としては統一教会は、前よりももっと危険になっていると私は考えます。

 ヨーロッパの統一教会の人にとってブラックフンジンは最初は統一教会に変化をもたらす人物じゃないかとも思えた。というのは、彼は韓国の統一協会(統一教会)の悪口を言っていたからです。しかし途中からはただ、暴力的になっただけで、変わっちゃった。

 彼は統一教会をもっと悪くした。変な方に持っていった。

質問 アメリカ人のキリスト教関係者、牧師たちが、どのような経過をたどって、統一教会の合同結婚式に参加しているのでしょうか?

ドナ 文鮮明とキリスト教のリーダーの関係は、まずお金です。アメリカでも、大多数の人は結構貧乏で貧しい地域があるわけですよ。南部その他。そういう所の牧師にとっては、統一教会がもしまとまったお金をくれるとか言ってくると、これはとっても魅力的なことです。

 日本の女の子達が、アメリカの色んな所に行って、大真面目にどんなに統一教会が、霊的にすばらしいかっていうことを言って歩く。

 これはもうレーガンのときからそうですが、統一教会はワシントンタイムズという新聞を出してます。ああいうことで、耳よりの固有名詞といってもいいんですが、今私達が悩んでる、耳よりの政治家と深く結びついている。保守派のあのリーダー達と結びついている。非常に保守的なキリスト教のリーダー達が統一教会の指示に従ってそれから統一教会はすばらしいとか言う原因になってる。

 でも本当に真面目なアメリカのクリスチャン達が文鮮明のことを本当に怒ってます。イエスキリストの名によって、格好いいことを言う。例えば結婚前は絶対禁欲的でなきゃいけないとか、例のピュアラブが大切だとか純潔のことだとか、そう格好いいことを言っていながら実際は違うということで、本当にけしからんと言ってる。誠実なクリスチャンたちも大勢います。

〈統一教会は今後どうなる?〉

質問 子供が統一教会をやめたけれども、行動パターンと思考回路が統一教会的で、後遺症と思われます。これを打破するために親としてしなければならないこと、また注意することのアドバイスをください。

ドナ 確かに、統一教会をやめても統一教会的な物の考え方なかなか抜けない。

 この思考パターンまでも本当に変わるのにはもうとてもとても長い時間が本人にも、それから親にもかかる。とてもひどい場合には10年位そういう物の考え、思考のパターンが壊れるまでに10年もかかるような場合もあります。私だって意識が抜けた後でも、サタンの残像のようなものが恐かったり。もしかして神が私を本当に見捨てることになったらどうしようかっていう、キリスト教の背景がありますね。そういうふうに変わることも私自身もある。

 ですから自分では抜けたつもりの人も、カウンセリングが必要だろうと思います。元メンバーでそういう状態、思考パターンから自由になってるような人達と会うことがとてもいいことだと思います。

 何よりも時が1番の癒し手だと思います。

 もし、本なんか読むことが好きな人の場合には、抜けた後で、それこそマインドコントロールってどういうことであるかという本を読んでみる、そうするとよく整理できる。

何よりも、愛情とそれから受け入れてくれる人が必要です。

 なぜかというと、統一教会では本当の家族、本当の愛、本当のなんとか、本当のなんとかって言っていながら、全然実はそういうものを与えていない、メンバーに。だから統一教会抜けたメンバーというのは、本当の愛とか、本当に人に受け入れられるっていう経験を持ってない、だからとてもそのことは大事だと。

質問 これから統一教会どうなると思いますか?

ドナ 私は統一教会が韓国で北朝鮮にしきりに接触のモーションをかけていることを非常に気にしています。

 文鮮明はもともと、自分の国、地上のどこかに、自分の国を持ちたいと、思っていた。そして、一国の代表ならば、国連にも自分は代表としてメンバーになれる、彼は本気でそう思ってる。

 もう一方で、文鮮明はさすがに年のせいで、飾り物、パペット、操り人形みたいに2階に押し上げられてる。そういうふうになりかかっている面もあると思います。例えば彼自身が投資しているワシントンタイムズの、重要なお偉方の会議に出ても、彼は何時間でも本当はそういうとこでしゃべるんですが、近頃はあんまりしゃべらしてもらえない。ちょっとあいさつ受けて何か言わされて、おしまいというふうになっている。彼はワシントンタイムズのそういう人達の前でしゃべらしたら、何を言い出すかわからないという。そういう状態になっています。

 もう1つ心配は、若い統一教会の若い世代の親達です。例えばイギリスだったらまだ小さな子供を持っている親達のメンバーが600人位いる。そうすると、700人位の子供がいます。でこの子達は絶対統一教会から離れないようにという努力をさせられる。だから第3世代というか、そういう予備軍が作られていくという可能性もある。

文鮮明の次の働き蜂というか兵隊として使うために2世・3世を教会に留めるためにすごく今力を入れてる。

 それに加えて、文はヨーロッパの国々にはもうほとんど入国さえさせてもらえない。だから南アメリカに彼は進出したんです。さすがに南アメリカの国々も彼を歓迎しなくなってる。で結局は北朝鮮ということになってると思います。教会はますます、狂信的になって、それから秘密主義的になってきていると思います。

 文鮮明が死んだ後は多分、分裂するでしょう。文の子供たちやそれからパクポヒみたいな人達にとって、最大の関心は、文が残した金を誰がどのくらい取れるかということだろう。非常に霊的なことを沢山言うようになってきていて、サタンを追い出すために体をたたくとか、色んなことが起こってきている。つまりもう、キリスト教の教えっていうのはものではなくなってきていて、それだけ危険になってきていると思います。

 とにかく日本が1番の統一教会の資金源だと知ってます。統一協会(統一教会)が、日本で資金源が少なくなっていっていけば、統一教会はそれだけ弱まっていくと思っています。日本だけじゃありません、私が住んでるアメリカでもそういう努力をしなきゃならないと思っています。そしてさっきも言ったように、文のお金がブッシュ大統領を支えるような保守的な、宗教家や政治家に、流れるとかそういうことがあるので、やっぱり、本当のことをアメリカでもできるだけ知ってもらうように努力したいと思っています。

(付記)

 ドナの繊細で情熱的な話に、東京・札幌・京都で多くの人が直接触れることができたことは、本当によかったと思います。彼女はスピーチの度に、皆さんの期待に応えられるか心配でドキドキしていました。生まれた時から文鮮明を「まことのメシア」であるとして育てられた彼女が、本当に自立するまでの苦悩は想像を超えるものがあったでしょう。

 しかし、彼女にとって、直接文鮮明やその妻・子供たちの「理想家庭」(アイデアル・ファミリー)とはかけ離れた実態に直接触れることができたことは結果として幸せだったのでしょう。帰国後の電話で、彼女はこう語ってくれました。

「在日中多くの元信者の皆さんと会えてうれしかった。元信者の体験や気持ちを聞いていて、欧米の統一教会信者のメンタリティー(心情)とかなり違う側面があると思いました。精神的拘束というか縛りの度合いが強いんですね。あれではたしかに、欧米で行われている脱会カウンセリングと異なった側面が必要なのかもしれないとは感じました。」

 彼女は今後多くの欧米の仲間とチャットするでしょう。その中で今回の訪日の体験が生かされるはずです。国際的交流って、こうして結実していくのだと実感しました。

 東京では、浅見定雄先生に無理に通訳をお願い致しましたが、無事に難役をこなしていただきました。心からお礼申し上げます。また、志村真先生にも、質問コーナーを中心にその英語力を発揮していただきました。その外ご協力いただいた多くの皆様に感謝致します。

 ドナ・コリンズさんは日本の多くの皆さんに心から感謝していました。そして、我々日本側のスタッフも彼女に心から感謝していることを何度も伝えています。彼女の2人の子、夫、そしてご両親をはじめ仲間たちの幸せを祈ります。
(山口広・記)